前回の
犬島交通事情の続き。
さてさて、やっとこさ犬島に到着したらば、船をおりてすぐの建物へと向かう。
どーん!倉敷にあった蔵のような、木材を焼いて黒くしてある壁が、空の青に映える。
この建物は犬島アートプロジェクトの受付をしているところ(精錬所見学は前日までに予約しておかないとダメ)、つまりは今回のメインになる重要な建物なのだ。建物自体は直接精錬所につながってなくて、ちょっとしたお土産コーナーとカフェコーナーとかがある。そんで、精錬所ツアー客はここから案内の人に連れられてぞろぞろと歩いてゆくのであります(精錬所は柵で囲ってあるので勝手には入れない)。
受付を済ませた後、まだ少し時間があったから建物裏の砂浜でぷらぷら。
ここの砂浜の砂は黒いものが混じってる。これは砂なのかな。
時間になったところで10人ぐらいのグループに別れて、いよいよ精錬所ツアー。
まず目に飛び込んでくるこの独特な色のレンガは、カラミレンガという銅の精製過程の失敗作らしい。でも銅の出来そこないといってもこの深みのある茶色がすごくキレイ。
精錬所は本当に昔銅を作っていたところで、別にアートとして建てた建物じゃないけれど、直島では出来なかった「そこにあるものが単純に美しいと思う」ということが、ツアー開始5分で実感できて感動。
外の説明を聞いた後は建物内へ。ここは手を加えてあって、ネタバレしちゃうから詳しく書かないけど、自然の力で空気の温度を調整したり、トイレの汚水を自然の力で全て分解して木の栄養にしたり、精錬所内に三島由紀夫邸のドアや窓や家具がアートとして飾ってあったり…もう全てが楽しい!
直島の現代アートに対して、犬島は過去のものとの共存と建築・環境、ていうイメージ。こうやって外側は昔のレンガ造りの状態で保存してるし、内側は現在も活躍しているアーティストが手を加えている。中のアートは写真ダメなので見せられないのが残念。
精錬所ツアーは2時間くらいかな?最後はカフェみたいなスペースで解散。内部は入れないけどカラミレンガの砦みたいな場所は好きに見学できる。大人が楽しめる秘密基地みたいな、そんな感じ。
精錬所を出たあとは船の時間がまだあったので、島の反対側へ歩いて行ってみた。特に何もないんだけどね。島全体は1時間ちょっとあれば一周できるんじゃないかなぁ。
くるりと歩いて最後に小さい酒屋でビールを1缶。おじいちゃんとおばあちゃんがやってる小さい小さい酒屋で「また来てね」と言われた。島で暮らしている人は100人もいない上に平均年齢が70歳近くだから、島をうろうろしててもすれ違ったりしないけど、会う機会があると暖かい。
うん、本当にまた行きたい。見学する中身は同じだけど、きっと夏はまた肌で感じ取れるものが違うだろうなぁ、と思う犬島でした。
おまけ:帰りの船に乗る前。
チマッと。